作詞家リアルボイス 詳細レポート 1

作詞家リアルボイス誕生

「澤地隆の作詞家リアルボイス」

-ただ書きゃいいってもんじゃない-

ところで歌詞って何が大切なの?

「作詞家リアルボイス」スタートしました。

いやー楽しかったです。
澤地さんと私(トミー染川)の掛け合いで進行していく「作詞家リアルボイス」思っていた以上に内容が濃く、やっていてすごく充実した心地く進行出来ました。

8/28参加できなかった方たちの為に当日のレポート、全部はお伝え出来ないのですが障りだけでもお伝えしたいな…と思いこのレポートを書かせてもらっています。

今回のリアルボイス、事前に澤地さんとは内容の打ち合わせは行っていたのですが、ただ二人ともアドリブトークの要素が多いので脇道にそれたり、思わぬ方向に話が進んだりで、、計画通りには進行しなくて頭は常にフル回転、でも澤地さんのトークには自分も引き込まれて、、脱線、修正の繰り返し、、、でもこれがライブトークの面白さですよね、、楽しかったあっという間の90分でした、、笑い。

それでは当日のレポートに移りたいと思います、、当日の熱量が伝わるかな?

トミーさん作詞ってね覚悟を持ってやるしかない…

当日の全体の流れは下記ように進行していきました。

・文字数を合わせる
 質問1
・作詞家になろうと思った話
・聞き手が理解できる?
・相手に感動が伝わる?
・みんなが共感できる?
 質問2
 質問3

これがプロとアマの違いなんだな…

イヤー緊張しましたよ、笑い。

なにせ司会進行役なって生れてはじめて、、どうなるやら、、実は緊張しすぎて朝早く起きてしまいそれから寝れなくて…、どうせだったらと何回も最初の所練習したりして…しかし本番始まったらそれまでの段取り全部吹っ飛んで頭真っ白に…これってあるあるですよね。

でも澤地さんに助けられながら進行出来ました。

TVやラジオで仕事されているプロの司会の人たちってすごいですね、改めて尊敬!

まずは挨拶を兼ねて今回の作詞家リアルボイスをやってみようと思ったきっかけなどを、ちょっと噛んだり、言い直したり、シドロモドロになりながら話しをして、、そうこうしているとこの雰囲気に慣れて来たのか?ちょっと落ち着いてきた時に本編に入っていくことが出来ました。

澤地さんに今回のテーマは「ところで歌詞って何が大切なの?」と質問を投げかけた…

そうすると澤地さんは「文字数を合わせる事」と即答。

作詞において文字数を合わせる事の重要性を熱く語り始めました。

トミー爺の記憶をたどってあの時の話をまとめてみると「作詞家は詞先で書く時に同じ個所の文字数を合わせるのは基本で、曲先ではメロディの音数を一字一句変えてはダメなんです」と力説。

そして私が「澤地さん、例えばメロディ3音の所に作詞家がどうしても4文字の言葉をはめたい、、3文字の言葉が浮かんでこない…って事ありません?そういう時はどうしているんですか?」と質問した時に返ってきた言葉が「絶対に3文字の言葉を探し出すしかない、、これが出なかったら次の仕事は来ない、、そのくらい覚悟を持って取り組むしかないんです。

正直この言葉を聞いた時ビビりました。
これがプロとアマの違いなんだな…って。

そこで参加者からの質問が

参加者からの質問 1

【広島県のOさんからの質問】

広島のOさん

詞先で、作品を作る時に、曲のジャンルによって、文字数や構成においても、気をつける事がありますか?

それと詞に、後から曲が付く時、イメージの違いを感じられる事はありますか?

澤地隆

それは曲のジャンルによって曲の長さが違ってきますね、、でも作詞の現場ではJPOPは殆どが曲が先。

歌い手さんが決まっていて、打ち合わせもしっかりとやるのであんまりジャンル…と言うのには困ったことがないけど、もし詞先でこの詞にはこういうジャンルの曲をはめてほしいと思ったら、そのようなジャンルの既成曲(世の中にリリースされている曲)に詞をはめてみると良いかも…

トミー染川

澤地さんならではの話ですね

ここで私の個人的な意見を加筆させてもらうと、もし既成曲に詞を付けて作品を出すときには○○の曲に詞をはめてみましたとか元曲は○○ですとかは書かない方が良いかな…と思います。

澤地隆

それとイメージの違いという事ですが

それはこのようなスタイルで詞を書いた目的が「この詞にこういうジャンルのメロを付けてほしい」という事だったので、詞から発信される匂い、作詞家がイメージした雰囲気は作曲家には伝わるはずです。

ただ作詞家から先入観を作曲家には与えないで、作曲家のイマジネーションで曲を付けてもらった方が良いと思います。

Oさんからの質問が続きます

広島のOさん

以前、あるコンテストで佳作を頂いた作品があります。
その時に「スイングジャスの曲が合いそう」と講評を頂き、大変、驚いた事があります。

というのも、自分としては、J-popsの暗めの曲をイメージして、書いたつもりだったからです。

澤地隆

そういう事もありますよ

ただ僕としてはある程度の範囲でそこはお任せです、、その方が詞の色んな可能性を引き出してもらえるから…

僕は自分が書いた作品がどんな仕上がりになったりヒットしたりしなかったりしても自分は良い作品を書くだけ…と思っている

トミー染川

これも作った作品を相手にゆだねる…というプロとしての姿勢ですね、なるほど、

それとこれって最初に澤地さんが言っていた「覚悟も持って…」という事につながるんでしょうね

作家になろうと思った話

そして次の話題は「作詞家になろうと思った話」に

ここではミュージシャンをやっていたので、そのミュージシャンとしての経験を上手く作詞に応用出来た…という話をされていました。

作詞、作曲、編曲など音楽制作には色んな役割があるけど、まったく違ったものではなく、根本のところは同じ、共通の何かがあるという事なのかな?

だからこんな話をしてもらいましたよ

「僕はミュージシャンだったからメロディの音数を採る事も、メロディのニュアンスを詞に活かすことにも苦労しなかったんですよ、、もしメロディの音数を採るのが苦手…と言う人がいたら作詞の勉強をするよりも音楽の勉強をするのも一手かもしれませんね、、」

これも深い話ですよね

聞き手が理解できる、相手に感動が伝わる、皆が共感できる

この3つのテーマ、当初は3コーナーを作って進行する予定でした。

ただ共通する内容も多く一つ一つをくくれない…

そんな感じのトークになって行ったんですよ、、これは最初に考えていた予定からはずれてしなったけど、うれしい誤算でした。

まずは最初の「聞き手が理解できる」という事、これについては質問が来ていました。

参加者からの質問 2

【東京のKさんからの質問】

広島のOさん

出来た作品を見直す時に、自分の頭ではこれで良いと思ってしまって、相手に理解できないフレーズになってしまうことが、しばしばあるのですが、他人が書いた作品のように見る、客観的に見られるようにしたいのですが、どういう考え方をすれば、ここは、違うという見方が出来るでしょうか。

澤地隆

まず5W1Hを書き手がしっかりとイメージする事が必要、、それを細かく考えてほしい。

その中で何が起きたのかを考えてほしい…

でもそれを全部書けって事ではない…その背景をしっかりと考えておけばブレないという事で…そしてそのどこを切り取るのか?それを考えてほしいと思います。

澤地隆

そして客観的にみれるようになる事については

書いたものを自分でも何度も読みなおしたり、信頼できる身近な人に読んでもらって指摘してもらうのも勉強になる

そこで何起きるか…というと相手の言う事が頭にくる…全然理解してくれていない…と思ったりする、、けど後になって考えてみるとその意見ってあっているんですよね

トミー染川

これって目からウロコですよね

相手が感動、共感してくれること

そして次の話題に進行「相手が感動、共感してくれる」ことに

どういう手口を使って相手に気持ちを伝える、、それが作詞の面白さ

例えば自分が相手の人の事を好きだとします。

それを「いかに君が好きだという事をどう伝えるのか?どんな行動に出すのか、という事を上手に書くことが詞かな…と思っている」

それをみんなあの手この手を使って書いているんだと思う。

つまり作詞家がどういう手口を使って相手の事を愛しているという事を伝えるのが作詞の面白さという事ですね。

さすが、、、!トミー勉強になりました、、笑い

もう一つ、これもかなり重要な話だったのですが、「たった一人の人を感動させることが出来なくて、多くの人を感動させられるはずがない」という澤地さんの言葉。

そうなんですよね、まずは目の前にいる誰かを感動させる、そうする事でその後ろにいる沢山の人たちに感動を伝えられる…これはすごい一言だったと思いました。

参加者からの質問 3

Fさん

聴き手が共通の映像を思い浮かべられるような具体的な表現を含む歌詞と、そうでない抽象的な表現だけの歌詞があります。

澤地先生は前者は「夏の終わり」後者は「僕はどうかな」など両方の形で作品を発表されていますが、これはどのように決まるものでしょうか?

私は具体性に感動を引き起こす力があると思いますが、ヒット曲やコンペで採用された曲には抽象的な表現だけの歌詞も多く、そうするべき理由があるのかどうか悩んでいます。

澤地隆

曲によるかな…暗めの曲は気持ちを多め、、映像が浮かぶような詞を書きたいので情景が、映像が見えていて気持ちが伝わる、、このバランスを常に考えて作品作りをしている」

トミー染川

バランス感覚ですね、、これは難しいけど、そのバランス感覚がその人なりの個性につながっていくんだと思いました

いやー今回取り上げたレポート以外にも沢山面白い話が聞けた…当日参加された方たちはきっと面白かったんだろうな…、そうであってほしいって勝手に思ってしまいました。

だって、トミー爺が一番面白いと思ったからね!

さて次回の作詞家リアルボイスは10/9(日)を予定。

第2回 どこまで歌詞の見かけにこだわってる?

お楽しみに…